EP(イングリッシュ・プログラム)とは?
EP(English Program)は、タイ国内の国公立校や私立校が開設している、英語を主要な授業言語とする特別教育課程のことを指します。
タイ教育省の正式なカリキュラムの枠組みに準拠しながら、数学・科学・社会・英語などの主要教科を英語で指導するのが特徴です。
タイ語の授業も必修であり、英語とタイ語の“バイリンガル教育”が実現されている点が、完全な英語環境のインターナショナル・スクールとは異なるポイントです。
インターナショナル・スクールとの違い
比較項目 | EP(English Program) | インターナショナル・スクール |
---|---|---|
所管 | タイ教育省(MOE) | 外務省認可+教育省登録が多い |
授業言語 | 英語(+タイ語は必修) | ほぼすべて英語(+第2外国語は選択) |
教員構成 | ネイティブ+タイ人教師 | ネイティブ中心、多国籍教員 |
学費 | 月1万〜2万バーツ程度(学校により異なる) | 月2万〜8万バーツ程度(ハイエンド校はもっと) |
生徒の国籍構成 | タイ人中心、一部外国籍生徒も在籍 | 多国籍(外国籍が多数) |
カリキュラム | タイ教育省準拠(但し英語で実施) | アメリカ式、英国式、IBなど国際カリキュラム |
卒業資格 | タイの高校卒業資格(M.6) | IGCSE / IB Diploma / A-Level 等 |
EPのメリット・デメリット
メリット
学費が比較的安価
→ 国立校・私立校ともに学費はインターナショナル校より大幅に安く、費用対効果が高い。英語とタイ語の両立が可能
→ 英語での学習に加え、タイ語教育がしっかり行われるため、バイリンガルを目指せる。タイの大学進学に有利
→ タイ国内の国立大学(例:チュラロンコン大学、マヒドン大学など)ではEP卒業生を対象とした優遇枠があり、外国人・ハーフの子どもにとっても進学の選択肢が広がる。日泰ハーフのお子さまに最適
→ タイ社会に根ざしながら国際的な教育を受けさせたい家庭にはバランスの良い選択肢。
デメリット
カリキュラムの柔軟性は少ない
→ 国の教育指針に沿っているため、探究型・プロジェクト型学習には限界がある。英語力に差が出やすい
→ 英語が第一言語でない生徒が多いため、授業の英語レベルは学校によってばらつきがある。海外進学には向かないケースも
→ インター校と違い、国際的な卒業資格を得られないため、海外大学進学には個別対策が必要。
プーケットの人気EPスクール
プーケットには、複数の公立・私立学校がEP(イングリッシュ・プログラム)や類似の国際課程を開講しています。以下はその中でも人気・実績ともに評価が高い学校です。
■ Kajonkietsuksa School(KISの本体校)
タイ国内最大級の私立学校グループ「Kajonkiet Group」が運営
EPクラスは外国人教師が多数在籍し、国際的な教育水準を維持
学費はインター校の半分以下ながら、施設・指導体制が充実
■ Plukpanya Municipal School(プルックパンヤー市立学校)
カトゥ地区にあるタイの市立校が開設しているEPコース
地元タイ人家庭からの評価も高く、英語教育に積極的
地域密着型で、ハーフの子どもたちにもなじみやすい環境
■ Darasamuth Phuket School(ダーラサムット・プーケット校)
カトリック系の私立学校で、2002年よりインターナショナル課程を併設
英語での授業が中心でありながら、仏教やタイ文化への理解も重視
バランスのとれた人間形成教育を重んじ、タイ人・ハーフの家庭に人気
学年は幼稚園から高校(M.6)まで幅広く対応
■ Daorung Wittaya School(ダーオルン・ウィタヤー校)
プーケットタウンにある老舗の私立学校で、英語教育に注力
EPの設置により、タイの教育課程を維持しながら英語で主要教科を学べる
学費は比較的リーズナブルで、地元家庭からの支持も厚い
■ Satree Phuket School – International Program(サトリー・プーケット校)
1909年創立の歴史ある国立校で、英語強化課程(EP)および国際プログラムを開設
カリキュラムはCambridge国際課程に準拠し、タイ語・英語バイリンガル教育を実施
タイ教育省OBECの支援を受け、ASEAN諸国との連携教育にも積極的
特に中高生向けに、進学実績と国際理解教育に強みがある
まとめ
イングリッシュ・プログラム(EP)は、タイ独自の教育システムの中で、国際的な教育とローカル文化の両方を経験できる貴重な選択肢です。学費や進学面でのメリットを考えると、特に日泰ハーフの子どもたちや、将来的にタイ国内の大学進学を検討している家庭には、非常に適した教育ルートとなるでしょう。
プーケットでの学校選びにおいても、インターナショナルスクールだけでなく、EPという選択肢を検討することが、子どもにとっての最適な進路につながるかもしれません。
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