「ローカル食堂」の概念を覆す!ミシュラン掲載の隠れた名店で味わう極上タイ料理『Khrua Ohm』

タイ料理

ミシュランガイドに載っていなければ、決して足を踏み入れることはなかったかもしれない——そんな一軒のタイ料理店が、私の食体験の概念を大きく覆した。

外観は、まさに「ザ・ローカル食堂」。どこにでもありそうな、特別感のない佇まいだ。しかし、いざ足を踏み入れようとすると、そこにはすでに順番待ち状態。驚きつつも紙でできた簡素な番号札を渡され、約40分の待機を余儀なくされる。ここまでのギャップを感じたのは初めてかもしれない。

ようやく席に案内され、今回は店の看板メニューの 「塩漬け卵とアカシアを添えた海老」と「ゲーン・ソム」 を注文。比較的すぐに料理が運ばれてきた。

料理を口に入れた瞬間、思わず声が漏れた——「ぷりっぷり!」
海老はもちろんのこと、ゲーン・ソムに入った魚までもが驚くほどの弾力。いや、タイで食べた魚のなかでもトップクラスの「ぷりっぷり」かもしれない。塩漬け卵のまろやかな塩気と、アカシアの独特の香りが絶妙に絡み合い、ゲーン・ソムは酸味と辛さを引き立てる。

この店を営むのは、かつてバンド活動をしていたという異色の経歴を持つ店主・Somphop氏。バンド仲間に料理を振る舞っていた経験から、料理の道へと転身。今では毎朝市場を巡り、その日最高の食材を厳選し、手作業で魚を捌くことが日課となっているという。

地元民が通い詰める理由がわかる名店

店のメニューには、南部タイの伝統的な料理が並ぶ。例えば、「塩漬け大豆ソースで煮込んだ魚」「鍋で炒めた豚肉(肩ロースとバラ肉の間にある希少な部位)」 など、どれもシンプルながら食材の旨みを最大限に引き出す調理法が光る。

一見すると何の変哲もないローカル食堂。しかし、一度その味を知ってしまうと、行列の理由がはっきりと理解できる。ミシュラン掲載店だから訪れたものの、この味ならばミシュランの肩書きがなくても通い詰めてしまうだろう。

次に訪れたときは、塩漬け大豆ソースの煮魚と、希少部位の豚肉炒めも試してみたい。いや、むしろ全メニューを制覇したくなるほどの美味しさだった。

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